脳 CFD血流解析 学術文献調査 PubMed 2000-2004

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(001) Moorhead

書誌情報

1D and 3D models of auto-regulated cerebrovascular flow.

K T Moorhead, S M Moore, J G Chase, T David, J Fink

Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc, 2004

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AI 翻訳タイトル

脳血管自己調節を考慮した血流の1次元および3次元モデル

AI 要約

• 本研究の目的は、ウィリス動脈輪に対して脳血流の自己調節機構を組み込んだ1次元および3次元のCFDモデルを構築・比較し、求心性動脈の閉塞や構成血管の欠損といった臨床シナリオを再現して、臨床意思決定に資する基盤を提供することである。
• 両モデルには、所与のウィリス動脈輪幾何学と流入側血圧のもとで流出側の最適流量を維持するために流出側動脈の長さを調節する比例・積分（PI）コントローラを組み込み、上記の臨床シナリオを模擬して過渡的な流出側流量プロファイルを比較評価した。
• 過渡的な流出側流量プロファイルに関して両モデル間で高い相関が得られ（差は5%以上）、ただし1次元モデルにおける厳密なポアズイユ流の仮定により幾何学的に極端な交通動脈を介する流量が3次元モデルより過大となる傾向が認められ、この乖離は1次元モデルの前交通動脈（ACoA）の流れ抵抗を増加させて3次元モデルの抵抗に整合させることで有意に縮小し、結果の整合性が向上した。
• これらのモデルは、手術やその他の臨床手技に先立ってリスクの高い脳動脈幾何学や病態を同定するために利用可能であり、とりわけ実行時間が速い1次元モデルは必要な詳細を担保できる限り実時間の臨床意思決定やシナリオ検証に適用し得る。

(002) Fukasaku

書誌情報

Computational fluid dynamics for brain circulation and aneurysm with therapeutic devices.

K Fukasaku, M Negoro, H Iwase, K Yokoi, R Himeno

Interv Neuroradiol, 2004 Dec 24

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AI 翻訳タイトル

治療デバイスを考慮した脳循環・脳動脈瘤の計算流体力学

AI 要約

• 目的: 臨床画像に基づき、ウィリス動脈輪に代表される多入口・多出口を有する脳動脈循環の血行動態を数値流体力学(CFD)で解析し、さらにコイルやステント等の治療デバイスが血流に及ぼす影響をシミュレーション可能な枠組みを構築すること。
• 方法: 三次元CTA/MRAから脳血管の三次元形状を再構築し、中心線と血管径を抽出して平滑化した血管モデルを作成した上で、流線などを可視化できる自家開発CFDソフトウェアを用い、同じく開発したCAD(VCAD: Volume CAD)と連携させてコイル、バルーン、ステント等のデバイスをモデル内に配置してCFD解析を実施した。
• 結果: 本システムにより、内頸動脈(ICA)・椎骨動脈(VA)を流入、交通動脈を介して中大脳動脈(MCA)・後大脳動脈(PCA)を流出とするウィリス動脈輪のような複雑血管構造における流れパターンを計算でき、さらに治療デバイスを導入した条件でのCFD解析も可能であった。
• 結論: 交通動脈を含めたCFDは母血管閉塞の術前シミュレーションを支援し、デバイスを組み込んだCFDは塞栓術シミュレーションのみならずコンピュータシミュレーション下での治療デバイス設計にも資することを示した。

(003) Byun

書誌情報

CFD modeling of blood flow following coil embolization of aneurysms.

Hong Sik Byun, Kyehan Rhee

Med Eng Phys, 2004 Nov

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AI 翻訳タイトル

動脈瘤コイル塞栓術後の血流に関する数値流体力学（CFD）解析

AI 要約

• 巨大または多葉性動脈瘤ではコイルによる完全充填が困難で部分的閉塞が避けられないため，コイル配置と母血管形状が血行力学に与える影響を考慮して，塞栓化を促進する有効なコイル位置を明らかにすることを目的とした。
• 側壁型動脈瘤モデルを用い，部分閉塞の位置（遠位ネック閉塞モデルとドーム側閉塞モデル）および母血管形状（直線と曲線）を変化させてCFD解析を実施し，動脈瘤嚢への流入量と壁面せん断応力（wall shear stress, WSS）ならびに時間平均正規化低WSS領域の割合を評価した。
• 遠位ネック閉塞モデルはドーム側閉塞モデルと比べて流入量が小さく低WSS領域が広く，流入量は直線母血管で31%，曲線母血管で34%低下し，時間平均正規化低WSS領域はそれぞれ4%および12%増大した。
• 流入の低下と低WSSは血栓形成・塞栓化を促進する血行力学的環境をもたらすことから，遠位ネックを標的としたコイル配置が動脈瘤塞栓に有効なコイル位置であることが示唆された。

(004) Shojima

書誌情報

Magnitude and role of wall shear stress on cerebral aneurysm: computational fluid dynamic study of 20 middle cerebral artery aneurysms.

Masaaki Shojima, Marie Oshima, Kiyoshi Takagi, Ryo Torii, Motoharu Hayakawa, Kazuhiro Katada, Akio Morita, Takaaki Kirino

Stroke, 2004 Nov

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AI 翻訳タイトル

脳動脈瘤における壁せん断応力の大きさと役割：中大脳動脈瘤20例の計算流体力学（CFD）解析

AI 要約

• 本研究の目的は、ヒト中大脳動脈（MCA）動脈瘤における壁せん断応力（wall shear stress: WSS）の大きさと分布を計算流体力学（computational fluid dynamics: CFD）により定量し、その病態生理学的役割を検討することである。
• 三次元CT血管撮影に基づき動脈瘤を有するMCA血管の数理モデル20例を構築し、血液をニュートン流体、血管および動脈瘤壁を剛体と仮定した自作の有限要素（finite-element）ソルバによりCFD解析を行い、血管・動脈瘤各領域のWSSの大きさと分布を評価した。
• 最大WSSは動脈瘤頸部近傍に生じる傾向があり尖端やブレブ（bleb）ではなく、その大きさは14.39±6.21 N/m^2で血管領域の平均WSS（3.64±1.25 N/m^2）の約4倍であり、また動脈瘤領域の平均WSS（1.64±1.16 N/m^2）は血管領域より有意に低く（P<0.05）、破裂動脈瘤の尖端のWSSは著明な低値であった。
• これらの所見は、形成開始期には高WSSが病因的に関与する一方で、成長期には低WSSが壁の退行性変化を介して増大および破裂を促進し得ることを示唆し、動脈瘤領域のWSS評価が破裂予測に有用となる可能性を示す。

(005) Hoi

書誌情報

Effects of arterial geometry on aneurysm growth: three-dimensional computational fluid dynamics study.

Yiemeng Hoi, Hui Meng, Scott H Woodward, Bernard R Bendok, Ricardo A Hanel, Lee R Guterman, L Nelson Hopkins

J Neurosurg, 2004 Oct

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AI 翻訳タイトル

動脈幾何学が動脈瘤成長に及ぼす影響：三次元計算流体力学（CFD）研究

AI 要約

• 本研究の目的は、親動脈の幾何学形状（とくに曲率）および頸部サイズが側壁性囊状脳動脈瘤の血行動態に与える影響を定量化し、動脈瘤の成長および治療効果への含意を評価することである。
• 三次元CFD解析により、直線血管モデルを含む種々の曲率をもつ動脈側壁に発生する囊状動脈瘤と複数の頸部径を設定し、流速、瘤壁面せん断応力（WSS）、拍動周期にわたる高WSS領域（時間依存的impact zone）を定量化した。
• 解析の結果、直線血管上の瘤とは異なり、曲率を有する血管上では粘性拡散ではなく血液慣性（遠心効果）が瘤内流入を支配し、曲率が大きいほど頸部遠位側での流れの衝突（impingement）が強まりWSSが上昇して同部位のimpact zoneが拡大し、さらに広頸瘤ほどimpact zoneが大きかった。
• 以上より、曲率の高い親動脈上の側壁性囊状脳動脈瘤はより高い血行力学的ストレスに曝露され、頸部遠位側の大きなimpact zoneは瘤の成長や治療後再増大の好発部位と整合し、臨床的には頸部遠位側を流れの衝突から保護する治療戦略が重要である。

(006) Stuhne

書誌情報

Finite-element modeling of the hemodynamics of stented aneurysms.

Gordon R Stuhne, David A Steinman

J Biomech Eng, 2004 Jun

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AI 翻訳タイトル

ステント留置動脈瘤の血行力学の有限要素法(FEM)によるモデル化

AI 要約

• 本研究の目的は、ステント留置された脳底動脈側壁動脈瘤の瘤頸部近傍における壁面せん断応力(wall shear stress; WSS)分布と流線をCFDで解析し、先行研究の低メッシュ解像度、メッシュ収束解析の欠如、ならびに非現実的なステント形状に限定された適合メッシング(conformal meshing)への依存といった限界を克服することである。
• 任意に複雑なステントおよび血管形状に適用可能な汎用のCAD(Computer-Aided Design)と非構造メッシュ生成ツールを用い、ステント近傍の節点間隔を系統的に変化させた定常流のメッシュ収束解析を実施し、その収束したメッシュを用いて生理学的に妥当な拍動流(pulsatile)シミュレーションを行った。
• その結果、ステントワイヤ上のWSS場をアーティファクトなく解像するにはワイヤ半径の約1/3の節点間隔が必要である一方、速度場に規定される大域的な流動特徴はより粗い解像度（節点間隔がワイヤ半径程度以上）でも把握可能であり、得られた結果は先行報告と整合しつつも流れの複雑なダイナミクスに対するより詳細な知見を与えた。
• 本研究で提示した手法は汎用性と解像度要件に関する指針を示したが、解剖学的に現実的な症例へのCFDの日常的適用には、特に複雑なステント展開を扱うための形状定義とメッシュ生成に関する専用アルゴリズムのさらなる開発が不可欠である。

(007) Chung

書誌情報

Clinical and experimental investigation of pseudoaneurysm in the anterior communicating artery area on 3-dimensional time-of-flight cerebral magnetic resonance angiography.

Tae-Sub Chung, Young-Jun Lee, Won-Suk Kang, Sei-Kwon Kang, Yoon-Chul Rhim, Byeong-Gyu Yoo, In Kook Park

J Comput Assist Tomogr, 2004

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3次元time-of-flight（TOF）脳MRAにおける前交通動脈（AComA）領域の擬似動脈瘤に関する臨床および実験的検討

AI 要約

• 本研究の目的は、3次元TOF脳MRAにおいて前交通動脈（AComA）領域に生じる擬似動脈瘤（pseudoaneurysm）の血行力学的機序を解明することである。
• 方法として、臨床研究ではAComA以外の部位に起源をもつ破裂脳動脈瘤でDSA（digital subtraction angiography）を施行した62例に対しMRAを実施し、前大脳動脈（ACA）の解剖学的変異とAComAでの信号欠損の関連を評価し、実験研究では分岐角70°および140°の弾性シリコン血管ファントムに対しMRAとDSAを行い、信号欠損を生じる血行動態因子を解析し計算流体力学（CFD）と比較検証した。
• 結果として、臨床研究では62例中21例に前大脳動脈A1部低形成を認め、うち14例の3次元TOF MRAで前交通動脈複合体分岐部の股部に信号欠損を示し、その7例では残存正常血管が動脈瘤様に描出された一方、前交通動脈複合体が保たれた症例では信号欠損を認めず、実験研究では広角（140°）分岐ファントムで分岐股部の信号欠損とDSAおよびCFDでの同部の乱流を認め、狭角（70°）分岐では有意な信号欠損を認めなかった。
• 以上より、対側A1の広角分岐を伴うA1低形成はAComA領域の信号欠損を介してMRA上で擬似動脈瘤像を生じうることが示され、幾何学的分岐形態に起因する乱流がTOF MRAのアーチファクトとして現れることが臨床・ファントム実験・CFDの統合により実証された。

(008) Hassan

書誌情報

Computational simulation of therapeutic parent artery occlusion to treat giant vertebrobasilar aneurysm.

Tamer Hassan, Masayuki Ezura, Eugene V Timofeev, Teiji Tominaga, Tsutomu Saito, Akira Takahashi, Kazuyoshi Takayama, Takashi Yoshimoto

AJNR Am J Neuroradiol, 2004 Jan

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巨大椎骨脳底動脈瘤に対する治療的親動脈閉塞の計算機シミュレーション

AI 要約

• 本研究の目的は、3次元デジタルサブトラクション血管造影（3D-DSA）に基づき、巨大椎骨脳底動脈瘤患者における左・右椎骨動脈の親動脈閉塞シナリオを計算流体力学（computational fluid dynamics, CFD）解析で模擬し、最適な治療戦略の妥当性を評価することである。
• 患者固有の3D-DSA形状からCFDモデルを構築し、左または右椎骨動脈閉塞を仮定したシミュレーションを実施してバルーン閉塞試験（balloon occlusion test, BOT）の所見と比較しつつ、瘤壁の圧力分布（特に収縮期の壁面圧）を評価した。
• CFDは瘤内血栓化と循環からの隔離の観点で右椎骨動脈閉塞が有利であるというBOTの示唆を支持した一方、収縮期に瘤壁上に高圧領域が生じうるという望ましくない所見も示し、この高圧が後の瘤増大に寄与しうることが示唆され、実際に6か月後のフォローアップで瘤の増大が確認された。
• 以上より、CFDは治療的親動脈閉塞の望ましい効果のみならず潜在的な不利益（高壁面圧に伴う瘤増大リスク）も術前に予見しうることを示し、脳血管疾患の治療計画における有用な補助ツールとなり得ることを例証した。

(009) Jou

書誌情報

Computational approach to quantifying hemodynamic forces in giant cerebral aneurysms.

Liang-Der Jou, Christopher M Quick, William L Young, Michael T Lawton, Randall Higashida, Alastair Martin, David Saloner

AJNR Am J Neuroradiol, 2003 Oct

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AI 翻訳タイトル

巨大脳動脈瘤における血行力学的力の定量化に向けた計算的アプローチ

AI 要約

• 本研究の目的は、治療選択肢が限られ評価が困難な巨大紡錘状脳底動脈瘤に対し、予定された介入が血行力学条件に及ぼす影響を定量的に評価する計算的枠組みを構築することである。
• 造影MRアンギオグラフィ（contrast-enhanced MR angiography; CE-MRA）で同定した患者特異的血管形状およびモデル幾何に基づき、計算流体力学（computational fluid dynamics; CFD）を用いて椎骨動脈一側の閉塞を模擬する前後での速度場、壁せん断応力（wall shear stress; WSS）、圧力分布を算出し、各椎骨動脈の流入量差の影響も検討した。
• モデル幾何では中央に強い主流と壁近傍の大きな再循環域を伴う対称流が認められ、片側椎骨動脈の仮想閉塞後には主流が一側へ偏向して高圧とWSS上昇を生じ、患者特異的幾何では流れパターンが各椎骨動脈の流量配分に強く依存した。
• CE-MRAは巨大頭蓋内動脈瘤の管腔境界の描出に有用であり、CFDは対象血管領域の支配的流れ条件の解明と介入治療による流体場の変化の予測を可能にする強力な手法であることを示し、治療戦略立案を支援する患者特異的計算基盤の有用性を示した。

(010) Lin

書誌情報

Computational and experimental study of proximal flow in ventricular catheters. Technical note.

Julian Lin, Martin Morris, William Olivero, Frederick Boop, Robert A Sanford

J Neurosurg, 2003 Aug

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AI 翻訳タイトル

脳室カテーテル近位部の流れに関する計算および実験的検討：技術ノート

AI 要約

• 本研究の目的は、シャント挿入による水頭症治療の高い失敗率に関与する脳室カテーテル近位孔での閉塞機序を解明し、流入分布の偏りを是正し得る設計改良の可能性を評価することである。
• 方法として、数値流体力学(CFD)解析、二次元水槽モデル、ならびに実機カテーテルとインク可視化を用いた三次元自動試験装置を併用し、従来の八孔カテーテルと孔配置・孔径を変更した新規設計における流れ場および流入質量流量分布を定量・可視化した。
• 結果として、CFDでは総質量流量の58%が最も近位の孔に、八孔カテーテルでは80%以上が最も近位の2列の孔に流入し多くの孔が実質的に機能していないことが示され、これらは2つの独立した実験手法で検証され、さらに幾何学的変更により流入質量流量分布が有意に変化した；また、流入の大半が近位孔に集中するため閉塞はこの部位で生じやすく、遠位孔の閉塞と異なり近位孔の閉塞はカテーテルの完全な機能不全を招くことが示唆された。
• 結論として、カテーテル先端に沿って孔径を可変とした近位脳室カテーテルの新設計は、長手方向の流入をより均一化し、近位孔閉塞に起因する閉塞リスク（遠位孔と異なり閉塞がカテーテル全体の機能停止を引き起こす）を低減し得ることが示された。

(011) Fin

書誌情報

Three dimensional modeling of the cerebrospinal fluid dynamics and brain interactions in the aqueduct of sylvius.

Loïc Fin, Reinhard Grebe

Comput Methods Biomech Biomed Engin, 2003 Jun

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AI 翻訳タイトル

中脳水道における脳脊髄液動態と脳組織との相互作用の三次元モデリング

AI 要約

• 本研究の目的は、従来の剛体幾何学仮定を超えて中脳水道内の脳脊髄液（CSF）流れを対象とし、壁を変形可能膜として扱う流体-構造連成（FSI）を組み込んだCFDモデルを提示し、壁変形が動態に及ぼす影響を明らかにすることである。
• MRIから中脳水道の解剖学的形状を再構成し、生成したメッシュをMAC（marker-and-cell）型の交互配置格子内に埋め込んでFSIを考慮し、時間微分項はCrank–Nicolson法で、連続の式は人工圧縮性を導入して差分法で離散化したうえで、剛体管内の層流再現により計算の妥当性を検証し、さらに剛体壁モデルと変形可能壁モデルの中脳水道シミュレーションを比較した。
• 検証では剛体管内の層流を良好に再現し、比較解析の結果、同一流量条件下で壁の変形性が圧力損失に強い影響を及ぼすことが示された。
• 以上より、壁の変形を考慮した三次元CFD/FSIモデリングは中脳水道のCSF動態解析に不可欠であり、剛体壁仮定に基づく従来モデルでは圧力特性の評価に偏りが生じうることが示唆された。

(012) Calamante

書誌情報

Estimation of bolus dispersion effects in perfusion MRI using image-based computational fluid dynamics.

Fernando Calamante, Peter J Yim, Juan R Cebral

Neuroimage, 2003 Jun

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AI 翻訳タイトル

画像ベース数値流体力学を用いた灌流MRIにおけるボーラス分散効果の推定

AI 要約

• 本研究の目的は、ボーラス追跡MRIによる灌流測定において、狭窄・閉塞性疾患に伴うボーラス分散が脳血流量(CBF)定量に与える誤差を画像ベースの数値流体力学(CFD)で定量化し、適切な血管輸送関数の選定に資する新規手法を提示することである。
• 解剖学的および生理学的MRデータから患者固有の現実的血管モデルを構築し、有限要素解析により動脈内血流パターンと造影剤ボーラスの輸送を計算するとともに、3つの単純化した血管モデルの精度を評価し、健常者2例および軽度頸動脈狭窄例2例のMRデータで手法を検証した。
• 本手法により推定されたCBFの分散起因誤差はおおむね15〜20%であり、狭窄の存在が必ずしも分散を増大させるわけではなく、血管幾何だけでなく個々の生理学的条件がボーラス分散の程度に影響することが示され、さらに本方法論が3つの単純血管モデルの精度評価にも有用であることが示された。
• 本手法は、分散効果に起因する誤差の理解を深め、血管モデルの評価・検証を可能にし、CBF定量における分散誤差補正の新たな方法の開発に寄与する。

(013) Hassan

書誌情報

Hemodynamic analysis of an adult vein of Galen aneurysm malformation by use of 3D image-based computational fluid dynamics.

Tamer Hassan, Eugene V Timofeev, Masayuki Ezura, Tsutomu Saito, Akira Takahashi, Kazuyoshi Takayama, Takashi Yoshimoto

AJNR Am J Neuroradiol, 2003

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AI 翻訳タイトル

3D画像ベースの計算流体力学（CFD）を用いた成人ガレン大静脈動脈瘤性奇形の血行動態解析

AI 要約

• 本研究の目的は、偶発的に発見された単一供給血管（feeder）動脈瘤を伴う22歳男性のガレン大静脈動脈瘤性奇形に対し、二つの動脈瘤内を通過する血流パターンを明らかにし、この種の紡錘状動脈瘤の血行動態的特性に関する理解を深めることである。
• 3D回転デジタルサブトラクション血管造影（DSA）から患者固有の幾何学を抽出して数値格子を構築し、その上で計算流体力学（computational fluid dynamics, CFD）解析を実施した。
• 解析により、二つの動脈瘤における流入・流出経路や内部流れの分布などの血流パターンが可視化され、患者特異的病変の血行動態的特徴が示された。
• 本技術報告は、脳血管疾患患者における血流パターンの検討に3D DSAとCFDを統合して適用する手法の実行可能性と有用性を例示し、画像ベース血行動態解析の臨床応用に資する知見を提供する。

(014) Steinman

書誌情報

Image-based computational simulation of flow dynamics in a giant intracranial aneurysm.

David A Steinman, Jaques S Milner, Chris J Norley, Stephen P Lownie, David W Holdsworth

AJNR Am J Neuroradiol, 2003 Apr

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AI 翻訳タイトル

巨大脳動脈瘤における血流動態の画像ベース計算シミュレーション

AI 要約

• 本研究の目的は、回転血管造影（computed rotational angiography）と計算流体力学（CFD）を統合することで、巨大脳動脈瘤における患者固有の血行力学情報を前向きに取得可能であることを示すことである。
• 内頸動脈‐後交通動脈（ICA–PcomA）分岐部の巨大動脈瘤により右動眼神経（第III脳神経）部分麻痺を呈し、その後コイル塞栓が施行された58歳女性を対象に、回転血管造影から高解像度ボリュームデータを取得して血管腔形状を抽出し、代表的な流量波形を含む境界条件のもとで3次元拍動性速度場の有限要素CFDシミュレーションを実施した。
• CFD解析では、動脈瘤頸部の近位端および遠位端から瘤内へ高速流が流入し、瘤内に持続性ならびに一過性の渦を形成して、動脈瘤頸部遠位側および側壁における壁面せん断応力の上昇と振動性パターンを生じ、これらはシネ血管造影における造影剤の流入（wash-in）パターンおよび6か月後に認めたコイルコンパクション（coil compaction）の所見と整合した。
• 血管腔形状と拍動性流れの解剖学的リアリズムは患者固有の動脈瘤血行力学の解明に不可欠であり、画像ベースCFD解析は動脈瘤の増大や破裂の前向き研究に資する鍵となる血行力学情報を提供するとともに、個々の動脈瘤の治療選択に対する反応予測に応用し得る。

(016) Ferrandez

書誌情報

Numerical models of auto-regulation and blood flow in the cerebral circulation.

A Ferrandez, T David, M D Brown

Comput Methods Biomech Biomed Engin, 2002 Feb

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AI 翻訳タイトル

脳循環における自己調節と血流の数値モデル

AI 要約

• 本研究の目的は、ウィリス動脈輪に対する時間依存2次元の計算流体力学（CFD）モデルを構築し、末梢抵抗だけでなく脳血流の自己調節を表現する能動境界条件を導入して、右内頸動脈の急速圧迫に相当する負荷下での解剖学的異常に対する血行動態応答を明らかにすることである。
• 制御理論に基づくフィードバック機構を用いて能動境界条件を定義し、末梢抵抗と自己調節を結合したモデルを構築したうえで、右内頸動脈の圧力低下を印加しつつ複数の一般的なウィリス動脈輪の形態異常を数値シミュレーションし、さらに単純管モデルによる実験との比較で妥当性を検証した。
• 各輸出動脈の時間依存流量を算出・集計した結果、モデルは単純管の実験と極めて良好に一致し、ウィリス動脈輪の幾何学的変異と血管拡張・収縮による自己調節との重要な関係が示され、とくに前大脳動脈右A1部の欠損または機能不全が最も不利な血行動態をもたらすことが示唆された。
• 生理学的に妥当な末梢抵抗モデルと自己調節機構を取り入れることで、ウィリス動脈輪の血流シミュレーションはより現実的となり、3次元の患者特異的シミュレーションへの容易な拡張が可能となる。

(017) Butty

書誌情報

Residence times and basins of attraction for a realistic right internal carotid artery with two aneurysms.

V D Butty, K Gudjonsson, P Buchel, V B Makhijani, Y Ventikos, D Poulikakos

Biorheology, 2002

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AI 翻訳タイトル

2つの動脈瘤を伴う解剖学的に正確な右内頸動脈における滞留時間と吸引域（basins of attraction）

AI 要約

• 本研究の目的は、互いに近接する2つの動脈瘤を有する解剖学的に正確な右内頸動脈モデルにおいて、血球の通過時間（滞留時間）と流入経路の起源領域（吸引域）を計算流体力学（CFD）により解明することである。
• 解剖学的実形状モデルに対してCFDシミュレーションを実施し、第一動脈瘤のみ、第二動脈瘤のみ、あるいは両者へ流入する各シナリオに関する滞留時間マップを作成するとともに、動脈瘤上流の断面において各シナリオに属する細胞の発生領域を定性的に示す入口指標（entrance index）を算出した。
• その結果、滞留時間マップは著しい不均一性を示し、どの動脈瘤に流入するか（第一、第二、両方）に強く関連しており、入口指標により各流入シナリオに対応する上流側の起源領域が定性的に区別されたほか、二つの動脈瘤の流入・流出パターンが高度に複雑な流れおよびカオス的混合（chaotic mixing）を生じうることを示唆する予備的証拠が得られた。
• 得られた滞留時間プロファイルおよび流入シナリオの知見は血栓形成や薬物動態（pharmacokinetics）に対して重要な含意を有し、二動脈瘤の組合せに特有の流入・流出構造が病態理解と治療戦略の設計に資する可能性が示された。

(018) Steinman

書誌情報

Reconstruction of carotid bifurcation hemodynamics and wall thickness using computational fluid dynamics and MRI.

David A Steinman, Jonathan B Thomas, Hanif M Ladak, Jaques S Milner, Brian K Rutt, J David Spence

Magn Reson Med, 2002 Jan

• Keywords: NA

• DOI: NA

• Article: NA

• OpenAlex: NA

  • Cited by: NA
  • FWCI: None
  • Citation Percentile: NA

• PubMed

• Google Scholar: NA
• OpenCitations: NA

AI 翻訳タイトル

計算流体力学と磁気共鳴画像法を用いた頸動脈分岐部における血行力学および壁厚の再構築

AI 要約

• 本研究の目的は、ヒトにおける局所血行力学とプラーク進展の関係の前向き評価を妨げてきた制約を克服するため、ヒト頸動脈分岐部において非侵襲的に動脈壁厚と局所血行力学を再構築する新規アプローチを提示し、その有用性を検証することである。
• ブラックブラッド磁気共鳴画像法(MRI)から管腔および壁境界の三次元モデルを再構築して壁厚を計測し、位相コントラスト(PC) MRIで計測した時間変化する入口・出口流量と管腔境界を境界条件として計算流体力学(CFD)に入力し、被検者固有の流動パターンと壁せん断応力(WSS)を算出した。
• 早期無症候性頸動脈疾患の59歳被検者において、シミュレーションと実測の速度は良好に一致し、頸動脈球部の壁肥厚は低せん断および振動性せん断と対応し、内頸動脈(ICA)遠位部では高せん断が高いWSSと共局在した一方、WSSと壁厚との一般的な定量的関係は認められなかった; 同様の結果は23歳健常被検者でも得られた。
• 本画像ベースのモデリング手法は、ヒト頸動脈分岐部における血行力学変数と壁厚の直接比較を初めて実現し、非侵襲性ゆえに健常者集団での血行力学とプラーク形成・進展の前向き研究に適した基盤を提供する。

(019) Moll

書誌情報

Value of the CT angiography in the diagnosis of common carotid artery bifurcation disease: CT angiography versus digital subtraction angiography and color flow Doppler.

R Moll, H P Dinkel

Eur J Radiol, 2001 Sep

• Keywords: NA

• DOI: NA

• Article: NA

• OpenAlex: NA

  • Cited by: NA
  • FWCI: None
  • Citation Percentile: NA

• PubMed

• Google Scholar: NA
• OpenCitations: NA

AI 翻訳タイトル

総頸動脈分岐部病変の診断におけるCT血管造影の有用性：CT血管造影とデジタルサブトラクション血管造影およびカラードプラ超音波の比較

AI 要約

• 本研究の目的は、頸動脈狭窄治療における鍵となる狭窄度評価に関して、CT血管造影（CTA）が、侵襲的標準法であるデジタルサブトラクション血管造影（DSA）および非侵襲的標準法であるカラードプラ超音波（color flow Doppler; CFD）に対して実行可能な代替となり得るかを検討することである。
• 脳血管疾患を有する178例に対しDSA、CFD、CTAを施行し、CTAではSiemens Somatom Plus 4を用いて撮像し、軸位断での造影血管断面積に基づいて狭窄度を定量化するとともに、プラーク形態（軟性・硬性）および潰瘍の有無を評価した。
• CTAはDSAで過小評価されていた有意狭窄を9例で検出した一方、膜様狭窄の2例では過小評価し、歯牙アーチファクトの2例では評価に失敗した；また石灰化はCFDよりもCTAで把握しやすく、この点では両者ともDSAより優れており、閉塞に対する感度はCFD、DSA、CTAのいずれも100%であった。
• CTAは、CFDの所見が不確定な術前・術後の評価やDSAとCFDの所見が不一致な場合の第三のモダリティとして有用であり、総頸動脈分岐部病変の狭窄度評価における臨床的な代替選択肢となり得る。

(020) Ferrández

書誌情報

Computational models of blood flow in the circle of Willis.

A Ferrández, T David, J Bamford, J Scott, A Guthrie

Comput Methods Biomech Biomed Engin, 2000

• Keywords: NA

• DOI: NA

• Article: NA

• OpenAlex: NA

  • Cited by: NA
  • FWCI: None
  • Citation Percentile: NA

• PubMed

• Google Scholar: NA
• OpenCitations: NA

AI 翻訳タイトル

ウィリス動脈輪における血流の計算モデル

AI 要約

• 本研究の目的は、ウィリス動脈輪における血行動態を記述する二次元定常の計算流体力学(CFD)モデルを構築し、末梢抵抗を考慮しつつ一般的な解剖学的異常と右内頸動脈(ICA)の多様な境界条件下での影響を評価することで、CFDの生理学的妥当性を検証することである。
• 脳血管樹の末梢抵抗は多孔質媒体(porous media)ブロックで模擬し、動脈オートレギュレーション(autoregulation)は考慮せず有効抵抗を一定としたうえで、複数のウィリス動脈輪の異常シナリオと右ICAの境界条件を系統的に走査し、総流量を算出して臨床計測値および既存モデルと比較し、流体力学的現象を解析した。
• 本モデルの総流量は臨床データおよび他のモデルと良好に一致し、関連する流体力学的効果が観察・解析されたうえ、右ICAの狭窄度に応じて各異常における流量低下の重症度の優先順位リストを提供し、血流再分配が局所的な動脈形状ではなく主として脳の血管抵抗の変化によって駆動されることを示した。
• 以上より、適切な境界条件と妥当な末梢抵抗を用いることでCFDは生理学的に整合的な結果を与え得ることが示され、より現実的なウィリス動脈輪モデル化のためには患者ごとの血管抵抗を高精度に推定する手法の確立が不可欠である。